レノボがやらかした。
クーポンの割引率を設定ミスした結果、定価22万のThinkPadが5万円程度で買える事態に。
一夜明けてレノボは注文をキャンセルするとし、既に購入した客も一方的にキャンセル処理をした。
間違って1円で売っちゃった事件ってなかったっけ?とググってみた。
・ジェイコム事件(2005年)
人材派遣会社ジェイコムの株式をみずほ証券の担当者が「1株で61万円の売り」を「1円で61万株の売り」と間違って入力し注文。400億円の損失が発生した。
・丸紅ダイレクト事件(2003年)
丸紅の直販サイト「丸紅ダイレクト」で198,000円のパソコンを19,800円と誤表示し1500件の注文が入る。丸紅は当初、価格設定ミスを理由に注文のキャンセルを発表したが、ユーザーからの反発を受け誤表示価格での販売を決定。単純計算で2億円以上の損失。ちなみに丸紅ダイレクトは翌年閉鎖された。
・ヤフーショッピングの誤表示(カテナ)(2004年)
Yahoo!ショッピングに出店している「CatWorks(カテナ株式会社)」でアップル社のパソコン115,290円が2,787円で表示され、約2万人から計1億台以上の注文が殺到(→丸紅ダイレクトの件があったので尚更だった)。原因はヤフー側でのバーコード登録ミス。カテナはDVD-Rを2,787円で販売する処理をしただけで、そのバーコード番号にはパソコンが誤って登録されていた。ヤフーからカテナに謝罪があり、誤表示の被害者となったカテナは「購入申し込みには応じられない」と発表。1億台のPCは販売されなかった。
・私の記憶では…
金額設定ミスって店側が泣き寝入りした事件(事故?)は、詳細は覚えてないけど他にもいくつかあったように記憶している。ちょっと違うけどコピー用紙1万箱(→適当だけどそんな感じ)を誤発注して届くまで気づかなかった事件とかもね。
・日本広告審査機構の解釈
参照→日本広告審査機構 - 価格を間違えて掲載したら、その価格で売らなければならないの?
売買契約は成立していたが、誤表示価格が錯誤によるものとされる場合、売買契約は無効となる。
例として以下2つは錯誤が認められる可能性が高いとしている。
(a)大型テレビのように市場価格の上下限が比較的明瞭で、消費者が価格相場を把握していると考えられる製品で、その相場より1桁安い価格を表示した場合
(b)ネット掲示板などで価格誤表示を指摘している書き込みを見て注文を行ったことが明らかな場合。
従って、錯誤の規定が適用できるケースは限定的で、契約が成立していれば、多くの場合、法的には履行しなければならないことになります。
・今回のレノボのケースはどうなるのか?
法的には錯誤が認められるかどうか、がポイントになると思われる。
1桁間違えた!ではなくクーポンの値引き率を76%にしたものなので(a)は該当しないと私は思う。(b)は見てから発注したと証明することは現実的に難しい(発注前にリツイートしてたらダメだろうけど後から消してもわからない説)。
素人考えだとどっちも該当しないと思うんだけど、強いて言えば(a)で、76%という数字が本来は何だったのか?がポイントになるのかもしれない。
レノボは訴訟を起こされる可能性があるけど、レノボ本体は本社香港の中国企業。レノボ・ジャパンはあるけど、そのあたりがどうなるのか私にはわからないしあんまり興味もない。
というか、22万のPCを5万で買えるかもしれない、程度で訴訟を起こせるほど日本は気軽な訴訟国家ではないし、弁護士費用で大赤字になる未来しか見えないし、個人がレノボを訴えるという形にはたぶんならない。個人が消費者庁?あたりに苦情を入れる程度はあると思うけど、こんな事で国際問題に発展させる訳にはいかないし、行政は動かないでしょう。
ただ、お咎めも損失も何もナシだと、炎上商法を狙う奴は出てくるかもしれない。
ま、人はミスを犯すという前提でセーフティを構築しとけって教訓ですかね。
最近のコメント