楽園実験を解説する動画を見た。
生存を脅かす要素を排除した環境で、生物はどんな社会を形成し、結末はどうなるのか?というもの。
なかなか興味深い内容なのでぜひ動画を見て欲しい。
ざっくりまとめを書いておく。
104日 初の子供誕生
315日 人口爆発・社会形成
560日 個体数ピーク
600日 乳児死亡率100%
1330日 超高齢化社会
1444日 生存者0
マウスの平均寿命は800日。人間の1年はマウスの10日に相当する。
つまり、人間換算60年で乳児死亡率が100%になる。
単純計算は意味がないけれど、20歳で出産する計算だと、3世代目(=孫)が出産適齢期になった頃に乳児死亡率が100%。15歳計算だと4世代目(曾孫)。
…早すぎない?
でもこれ、衰退の原因と絶滅の原因は違うよね。
衰退の原因は、フェーズ3(315~600日)で被支配者階級のメスの乳児死亡率が90%になったこと(→支配者階級は50%)。
絶滅の原因は、それプラス、フェーズ3末期(→520日以降くらいかな)からオスが異性に関心の無いひきこもりタイプばかりになったこと。
いや、でも、乳児死亡率90%は、広場のオスがドロップアウト型ばかりになったことにより子供を守らなくなったからって言ってるので、オスの性質が変わったから衰退し、それでも変わらなかった(orむしろ悪化した)から絶滅に至った。ですね。
草食系男子が増えると社会は衰退し、そのまま滅亡へと向かう。ってことか。なるほど。
では、どの時点で「手遅れ」になったのか?
物理的には最後の女子が40歳を超えた640日目あたり(→マウスの出産可能年齢が何歳までかは知らないけれど)。
実質的には、草食系男子が増え、それにより乳児死亡率が増加したけど、草食系男子が増え続ける傾向を変えることができなかったあたり。数字にするとおそらく、ドロップアウト型が男子の50%を超えたあたりが終わりの始まりで、70%とか80%とか90%のどれかくらいが滅亡確定ポイントなのだと思う。適当に予想すると520~580日目くらいかな。そもそも、草食系男子の増加を減少に転じさせることが可能なのかどうかもわかりませんが。
人間社会というか日本社会で考えてみる。
乳児死亡率100%が現実的ではないのでちょっとアレだけど、日本の人口は既に減少に転じました。
けどこれは、楽園実験の560日目を過ぎたことと同義ではない。
なぜなら「2人目・3人目の子供を金銭的理由で躊躇っている夫婦」は政治で解決できるから。中身次第だけど例えばベーシックインカム導入で激変するだろうし、こういう夫婦が私の感覚だと半数以上を占める。
・子供を持つ気がない
・結婚する気がない
・恋人を持つ気がない
問題なのはこっち。こういう価値観の男女が楽園実験における「ドロップアウト型の男子」に相当する。
まあ、個人的な考えだと、こういう価値観の人でも男女混合の団体生活をさせれば、一定数は色恋に発展すると思うけどね。
嫌な方向が浮かんだので書いてみると、国が精子・卵子の提供を強制し、AIで相性の良いものを掛け合わせる。マイナス因子は排除する。子供は国が育てる。精子・卵子の提供者が子の存在を知らされることはない。
「どこかに自分の子供がいるかもしれない」のが普通のことで、責任も発生しないなら、「別にいいかな」と私は考えてしまう。報酬が発生するなら積極的にすらなるかもしれない。
まあ、なんというか、子供が生まれてこないことにより社会が滅びる。というのは起こらないような気がしますね。
核戦争、ウイルス、気候変動、隕石衝突、あたりで人類は滅びるのでしょう、きっと。
結論。マウスの楽園実験はおもしろいけど、人類の滅亡はこういう形ではないと思う。
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