戦争マンガとしてトップクラスにおもしろい。
「なんか面白いマンガない?」と友達に聞かれたらペリリューを挙げるくらい、ジャンル問わずでもおもしろい。
以下、私の感想を書いていく。ネタバレはしない。
物語の概要はこんな感じ(amazon抜粋)
昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。そして日米合わせて5万人の兵士が殺し合う狂気の戦場。当時、東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万。迎え撃つは『徹底持久』を命じられた日本軍守備隊1万。祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか――!?『戦争』の時代に生きた若者の長く忘れ去られた真実の記録!
戦場の日常を、事実を淡々と描いた作品。
「淡々と」と表現するのは一歩引いた視点から描かれていると感じたから。盛り上がりに欠けるというわけではない。むしろ生死に関わる大事件ばかりなので読んでいて飽きることはない。フィクションではないが個人的にはドキュメンタリーに近いと思う。
かわいらしい絵で読みやすいが、戦争の話なので内容はもちろん凄惨なものが多い。もし写実的でリアルな絵ならトラウマになりそうな場面がいくつか思い浮かぶ。けど読んでいて嫌悪感を感じることはなかった。
思想的なものは意識的に排除されていると感じた。単純な善悪論にはしたくなかったのだろう。「事実を淡々と」と私が感じた理由のひとつになっていると思う。
戦場でのサバイバルの話であり、主人公田丸と吉敷くんとの友情の物語でもある。吉敷くんはイケメン。
他の主要な登場人物(島田少尉、泉くん、小杉伍長、片倉兵長など)も、それぞれどんな人でどう考えてどう行動するか、なんとなく理解できるようになるあたり、丁寧に掘り下げられているって事なのだと思う。ブレなど違和感もない。
総じて良作。なんというか、日本人はペリリューについて知っておいたほうが良いような気がする。
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